こんにちは! 5月にアクセシビリティの祭典に参加させて頂いて、Webサイトやアプリを作るうえでのアクセシビリテ
こんにちは!
5月にアクセシビリティの祭典に参加させて頂いて、Webサイトやアプリを作るうえでのアクセシビリティの大切さを改めて認識する事ができました。
以前コーポレートブログでユニバーサルデザインについて取り上げさせて頂きましたが、今回の記事では改めてユニバーサルデザインとWebにおけるアクセシビリティについて、考えてみたいと思います。
目次
ほぼ全ての人がスマートフォンを持つと同時に、インターネットが普及していなかった10年前とは比べ物にならないくらい、多くの人々がいつでもどこでも情報を手に入れる時代になりました。そして社会の変化も著しく、多様性を認め合う社会へと変化しています。世界中の人々が”平等に”デバイスを扱い、情報を取得できる時代に突入しているのではないでしょうか。
ユニバーサル(Universal)とは和訳すると「みんなに共通の」といった意味合いを持ち、アメリカの建築家であるロナルド・メイス教授が1980年代に発表した原則です。メイス教授は幼少の頃ポリオにかかっており、自らも車椅子での生活を送っていました。
原則1 誰にでも公平に利用できる
原則2 使う上で柔軟性に富む
原則3 簡単で直感的に利用できる
原則4 必要な情報が簡単に理解できる
原則5 単純なミスが危険につながらない
原則6 身体的な負担が少ない
原則7 接近して使える寸法や空間になっている
メイス教授がユニバーサルデザインを提唱し始めたのは、1990年にアメリカで施行された「障害をもつアメリカ人法(ADA)」という法律がきっかけでした。この法律は広範囲に障がい者が利用しにくい施設を差別的として、その権利を保護しようとしたものですが、法律の基準には沿っているけれど、障がい者に配慮していない建築物が発生しという政治的背景があります。こういった歴史的背景から読み取れるユニバーサルデザインとは、法律や障害といった壁を感じる事なく、全ての人にとっての「使いやすさ」を提唱する概念である事が伺えるのではないでしょうか。
*バリアフリーとユニバーサルデザインの違いについてはコーポレートブログの過去のpostをご参照ください!
アクセシビリティ(Accessibility)とは、和訳すると「近づきやすさ」「利用のしやすさ」「便利である」といった意味になります。ユニーバサルデザインが概念とすると、アクセシビリティはより「使いやすさ」にフォーカスした意味合いで捉える事ができます。一般的には高齢者、障がいの有無に関わらず、多くの人々が「使うことができるか」を表します。
ウェブのアクセシビリティを言い表す言葉がウェブアクセシビリティです。ウェブコンテンツ、より具体的にはウェブページにある情報や機能の利用しやすさを意味します。
さまざまな利用者が、さまざまなデバイスを使い、さまざまな状況でウェブを使うようになった今、あらゆるウェブコンテンツにとって、ウェブアクセシビリティは必要不可欠な品質と言えます。
引用 : ウェブアクセシビリティ基盤委員会
ウェブアクセシビリティ基盤委員会のサイトでも提言されている通り、Webにおけるアクセシビリティとは「情報」や「機能」の利用しやすさを意味します。年齢や国籍の壁、障がいの有無に関わらず全てのユーザーへ適切に情報を伝えるために、よりユーザビリティを考慮したデザインを提供しなければいけないのではないでしょうか。
日本国内においても大手から中小まで様々な企業が取り組みを行っており、各社の関心の高さが伺えました。今回は特に参考になりそうな取り組みをピックアップします。
花王のCSRページではユニバーサルデザインへの取り組みが紹介されています。「シャンプーのきざみができるまで」というコンテンツがとても興味深く、花王という企業の誠実さが伺えました。
https://www.kao.com/jp/corporate/sustainability/universal-design/
大日本住友製薬ではWebサイトのアクセシビリティにフォーカスしたガイドラインが公開されています。WACG2.0の規定に基づいたサイトの規格・制作・検証まで細かい箇所までルール化されており、ガイドラインを作るうえでかなり参考になるのではないでしょうか。
出典 : 大日本住友製薬 アクセシビリティガイドライン
https://www.ds-pharma.co.jp/accessibility/
パナソニックキッズスクールでは、ユニバーサルデザイン全般が学べるWebページが公開されています。各国の違い、ユニバーサルデザインクイズなど、とてもわかりやすいコンテンツが充実しています。
https://www.panasonic.com/jp/corporate/sustainability/citizenship/pks/ud/ud03_04.html
アクセシビリティの祭典へ参加した時も感じましたが、デザイナー・エンジニアに限らず、私たち制作者は全てのユーザーへ情報を「伝えて」「届ける」使命があるのではないかと思います。多くのユーザーの利便性をあげる事により、結果として社会やビジネスに貢献できるモノづくりができるのではないのかなと感じました。
古く、プロダクトデザインや建築の世界では重要視されてきたユニバーサルデザインやアクセシビリティの概念ですが、ITにおける考え方も見直していかないと行けないと感じました。弊社においても引き続きユーザビリティやアクセシビリティといった使いやすさを重視したデザインを心がけると共に、業界の動向を追って行きたいと思います。